社内情報の再利用と管理の徹底を文書の構造化で支援するジャストシステム
社内情報の活用気運がさらなる高まりを見せる中、ジャストシステムとIDG ジャパンは6月5日、企業における理想の情報活用のあり方を探るためのカンファレンス「CIO情報戦略会議2008 Search the Enterprise Value」を開催しました。
同カンファレンスでは、これまでの情報活用における課題とその解決策、そして情報活用を支援する製品として、「ConceptBase® Enterprise Search」と「xfy Enterprise Solutions」を紹介。文章の構造を踏まえ、文書単位ではなく意味単位で情報を管理することの重要性を、さまざまな観点から紹介しました。
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人手による文書化が、情報活用の“壁”に
他社との差別化に向け、社内に存在する情報をいかに活用すべきか--。競合他社に対する競争優位を確立するために、企業が長らく取り組んできた課題です。加えて今、金融商品取引法の改正などによって、情報管理の必要性が声高に強く叫ばれるようになる中で、日々の業務によって生み出される膨大な情報の管理徹底が、社会的にも企業に強く求められています。
「情報と知の新・活用術」との副題が冠された、「CIO情報戦略会議2008 Search the Enterprise Value」の基調講演では、アイ・ティ・アールで代表取締役を務める内山悟志氏と、ジャストシステム代表取締役社長浮川和宣が、現状の情報活用に向けた取り組みの問題点を挙げると共に、情報活用を具現化するためのアプローチについての見解を語りました。
【基調講演】氾濫する情報の統制と活用~成否の分岐点を説く
代表取締役プリンシパル・アナリスト 内山悟志 氏
これまで企業では情報活用の推進に向け、ナレッジマネジメント(KM)など、属人的な情報を組織として共有するための活動が行われてきました。しかし、現実にはそのほとんどが実を結ばなかったことは説明するまでもありません。その大きな要因として内山氏が指摘したのが、「社員の知を改めて文書化するという作業が不可欠だったこと」です。つまり、業務の過程で発生する情報は極めて膨大かつ多岐にわたるため、限られた時間内ですべての情報を文書化することは到底不可能というわけなのです。
このことを踏まえ、内山氏は従来の「公開蓄積型KM」から「仲介型KM」にKMの手法を転換させる必要があることを強調。実際に、「Web2.0に代表されるXMLなどの技術や高度なエンタープライズサーチ技術の登場により、社員の知を自動的にインデックス化することで、情報を互いに交換可能な“場”を実現できる環境が技術的にも整いつつある」(内山氏)のです。
【主催者講演】経営資源として考える次世代情報戦略 ~情報ユニットで実現する迅速で質の高い意志決定~
代表取締役社長 浮川和宣
ジャストシステム浮川はこの基調講演を受け、「すでに社内に存在する膨大なドキュメントを活用できる環境を整えることで、情報交換の場を実現できる」と指摘。必要とされるドキュメントを容易に検索できるよう、文書の“構造”にまで踏み込み、多様な手法でドキュメントを分類できるようにすることで、一般的な文書ファイルの再利用を促せ、ひいては情報活用を推進できると説明しました。
文書の構造を基にドキュメントを分類できれば、業務に有用な意味を持つ情報単位である「情報ユニット」単位で情報を管理でき、文書単位で情報を管理する場合と比べて必要な情報をより迅速に探し出せるようになる。ひいては、「情報を組み合わせ、新たな価値を生み出すことも容易に行えるようになる」(浮川)のです。
【特別講演】リコーの経営革新と情報活用
取締役副社長執行役員CSO/全社構造改革担当 遠藤紘一 氏
特別公演では業務革新のために長らく社内の情報活用に取り組んできたリコーで取締役副社長執行役員を務める遠藤紘一氏がその成果を披露するとともに、業務改革を遂行する上で、情報は業務を可視化するためにも不可欠との認識を示しました。
また、これまでの活動を通じ、扱う情報の種類が着々と増えつづけているとした上で、「情報を活用した継続的な改善活動の積み重ねが、“改革”という実りをもたらす」(遠藤氏)と結論づけました。
文書の“構造化”こそ、情報活用の“最適解”
続くビジネスセッションでは、ジャストシステムでエンタープライズマーケティング部プロダクトマー ケティンググループの徳嵩信雄が、情報ユニットを用いた情報検索を実現する同社の検索プラットフォーム「ConceptBase Enterprise Search」を紹介しました。
【ビジネスセッション1】
発表!企業内検索は情報活用から業務に活用できる基盤へ
全く新しい次世代型情報検索プラットフォームとして進化を遂げた
ConceptBase Enterprise Searchのご紹介
エンタープライズマーケティング部プロダクトマーケティンググループ 徳嵩信雄 / 三谷安世
エンタープライズ基本プロダクトマネジメントグループ 松家勝弘
ConceptBase Enterprise Searchはジャストシステムが10年以上にわたり販売を手掛け、すでに3,300 社を上る導入実績を誇る情報検索システムの最新版です。その特徴として、まず挙げたのがESP(Enterprise Search Platform)製品としての基本性能の高さです。
具体的には、まず処理能力に関して1台のサーバでテラバイト級のデータにも対応していることに加え、スケールアウトの手法でサーバを追加することで、処理能力を高めることが可能。サーバーの構成方法も柔軟に選択でき、「いずれのユーザーでも最適なかたちで導入することができる」(徳嵩)。社内に蓄積される情報は毎年、加速度的に増加していますが、そうした状況に対応を図れるようになっているわけです。
また、長らく培ってきた日本語処理技術に基づく検索性の高さも他社製品との大きな差別化ポイントです。実際に、ConceptBase Enterprise Searchでは独自のナレッジ処理エンジンによって、XML技術をベースとした文書の構成情報の抽出と構造化を実現。これにより、高精度な検索が可能になるとともに、構造検索インデックスであらゆるファイルやデータベースの情報の一元管理を実現することで、「構造化、非構造化を問わず、社内のあらゆる情報を検索でき、それらを統合的に扱う情報系アプリケーションを容易に構築できるのです」(徳嵩)。
社内のデータをXML化するためのフィルターも各種容易、それらの利用を通じて導入負荷を軽減できるほか、インデックスにメタ情報を付与するプロフェッショナルサービスを利用すれば、検索精度をさらに高めることも可能です。
これらの説明後、ナレッジ製品開発部の松家勝弘が登壇し、製品開発担当者の立場から、企業向け検索システムに求められる要件をWEB検索システムと比較しながら、期待される検索精度・性能の高さ、リアルタイムインデキシングによる運用性、さらにSDK提供により業務にフィットしたソリューションの開発が行えるなど、他社のESP製品に対する同製品の優位性を説明しました。また、情報のさらなる活用を進めるにあたっての最適解こそ、XML技術をベースとした情報の構造化であることを改めて訴えました。
「同製品であれば従来環境のまま情報の構造化と活用が可能となり、より業務にフィットした新たなアプリケーションを構築できるのです」(松家)。
情報管理を高度化、情報リスクの低減も支援
情報戦略を語る上で外せないのが、企業内に散在するあらゆる情報のシステム横断的な活用を支援するXMLアプリケーション・フレームワーク「xfy Enterprise Solutions」です。
最後のセッションではエンタープライズマーケティング部プロダクトマーケティンググループの畝見真が、xfy Enterprise SolutionsとConceptBase Enterprise Searchの関係を説明するとともに、その利用によって見込まれるメリットと活用事例を紹介しました。
【ビジネスセッション2】
ミッション・クリティカルなドキュメント業務を支援するエンタープライズ2.0世代の真・企業情報活用術
エンタープライズマーケティング部プロダクトマーケティンググループ 畝見真
社長室ビジネス企画グループ 細井智
シニア テクノロジー アーキテクト 熊坂祐二 氏
XXML技術は情報を構造化する手段としてその有用性が広く認知されていたものの、その利用にあたってはXMLの形式ごとに専用のツールが求められたり、XMLの構造を意識した編集が必要であったりといった理由から、これまでバックエンドのシステムで利用されるだけにとどまっていました。
これに対して、xfy Enterprise Solutionsは、さまざまなXMLデータをワープロ感覚で編集可能とし、XMLで構造化された情報をリポジトリ内で一元管理することによって、社内情報の自在な再活用を支援する製品と位置付けられます。
「xfy Enterprise SolutionsはXMLを用いることで、情報ユニット単位での文書情報の作成/保管/管理を実現しました。情報ユニット単位で情報を検索可能なConceptBase Enterprise Searchと組み合わせて利用すれば、情報資産価値を最大限にまで高めることができるわけです」(畝見)。
実際に、xfy Enterprise Solutionsを用いることで、共有化すべき情報の単位で部品化しこれを再利用することによってドキュメントの作成や編集時の手間を大幅に削減でき、情報の再利用性も飛躍的に高めることができます。又、構造化された文書データから特定の項目のみを抽出することで、例えば、営業報告書から顧客別の対応履歴レポートなどを容易に作成可能。また、文書内に点在している用語の説明文面だけをピンポイントで抽出し、用語一覧などを作成する場面でも活用することができるのです。そしてxfy Enterprise Solutionsでは、作成された文書の管理もワンストップで可能としており、文書の作成からレビュー、承認、凍結といったステータスの管理や版管理、あるいはコンプライアンス上求められる改訂履歴管理にも対応するなど情報管理の徹底を支援できリスクの低減を図ることもできます。
ジャストシステムでは現在、業種/業務別にxfy Enterprise Solutionsのソリューションの拡充を進めています。「金融業界のFIXMLや通信業界のNewsMLなど、すでにさまざまな業界でXMLによるメッセージのやり取りが行われています。xfy Enterprise Solutionsはそれらの情報を扱うアプリケーションを構築するためのフレームワークとしても利用可能。多様なソリューションに活用を見込め、企業競争力の強化をさまざまな面で支援することが可能なのです」(畝見)。
後半は、ビジネス企画室の細井智が、主にxfy Enterprise Solutionsの文書作成・管理機能を活用した業種別、業務
別の新しいソリューションを紹介しました。実機を使ったデモでは、
- グリーン調達における文書作成コストの削減と効率化を実現する
『xfy グリーン調達文書作成管理ソリューション』 - ガバナンス・コンプライアンス・リスクコントールを実現する
『xfy 金融マニュアルソリューション』 - 日々の営業活動から得られた経験を活用して組織の力を最大化する
『xfy 営業報告書ソリューション』 - eCTDによる容易な申請情報管理を実現する
『xfy 新薬申請文書作成管理ソリューション』
を紹介いたしました。
さらに、本セッションの最後には、xfy Enterprise Solutionsのビジネス・パートナーであるベリングポイント株式会社のシ ニアテクノロジーアーキテクト熊坂祐二氏による『Information Management情報管理』と題し たゲスト講演をいただき、盛況のうちに終了いたしました。


CIO情報戦略会議2008 では、xfy Enterprise Solutions、ConceptBase Enterprise Searchを紹介するブース及びビジネス・パートナー各社の展示コーナーも併設。休憩時間、フォーラム終了後も多くの皆様にお立ち寄りいただきました。
